新大塚(M24)隠れた物語がありそうな駅
JRの大塚駅と、丸の内線の新大塚駅は連絡していない。そんなことも、住んでいないと、案外気づかないものである。
そもそも連絡できるのであれば、丸の内線の駅の名前も大塚だったのだろう。
昔の三業地であり、銘酒居酒屋の発祥地である大塚の表玄関であるJRの大塚駅は、都営荒川線も乗り入れる、独特な風情漂う駅である。
駅前の昔懐かしいバッティングセンターや、北口の方に広がる昔の色街の匂いを残した飲食店街など物語の材料だらけである。
新大塚は、南口を出て、5分程度歩いたところにある。どちらかというと丸の内線の次の駅の茗荷谷よりで、住宅地に接するひっそりとした立地である。
JR大塚駅であれば、さっきの銘酒居酒屋群が一人のパイオニアである串駒の髭の御主人(僕はみなみらんぼうと呼んでいた)の弟子たちが作り出したなどという芳醇な物語に満ちている。
日本酒好きではない僕が、ひょんなことで、「みなみらんぼう」翁に気に入られて、やたら昼からの利き酒会に招かれて困惑するというエピソードまでとにかく語ることはつきない。
新大塚だけとなると、そこまでの物語を語ることはできない。
でも、この町に住んでいる人ならば、もっと深い物語や、隠れた名店や風情のある裏通りをたくさん知ってるんだろうなと思わせてくれる魅力的な風情のある駅なのだ。
駅裏にある「きの字」という居酒屋や、カレーの名店「カッチャルバッチャル」 は隠れた名店である。
カッチャルパッチャルだが、夜だけの営業のこの店は小さいけれど費用対効果抜群のインド料理店。予約した方が安全。
少々分かりにくい場所にある。