東京アンブラー Tokyo Ambler

東京の路線図めぐり

東京(M17)僕は新丸ビルが好き

 

 

東京という名前には、やはり、別格の響きがある。明治維新以後の日本の歴史の中心地である首都の名称だ。その首都東京の名前を持つ地下鉄の駅というのはどういう存在なのか。

 

 

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JR東日本JR東海の新幹線や在来線、そして東京メトロの丸の内線が乗り入れている、日本最大のターミナル駅の一つである。一日の発着本数は約3000本、駅の広さは東京ドーム3.6個分。

 

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その巨大さと複雑さは想像を絶する。

 

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試しに、新幹線で東京について、丸の内線の東京に乗り継ごうとすると改札内も含めて、それなりに長く歩くことになる。荷物が多い時には一苦労である。

 

東京駅全体は東京ドーム3.6個分だけあって、かなり膨大な地域なのだ。

 

 

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しかし丸の内線の東京駅となると、比較的、等身大感覚で捉えることができる。

 

東京に住んでいる以外の人と、東京駅で待ち合わそうとすると、待ち合わせ場所の特定が案外大変である。到着の電車によって、降りる場所も様々なので、特定の待ち合わせ場所を設定しても、そこに到達するまでの経路をシンプルに説明することは難しい。

 

丸の内線の場合はこれがかなりシンプルなのである。オアゾ側の出口か、JRに向かう出口か、新丸ビル側の出口かの三択になる。さらに目印も比較的簡単に特定できる。

 

場所的にはJRの丸の内北口一帯の地下に広がるのが丸の内線の東京なのだ。

 

当然ながら、最終目的地は多い。

 

オアゾ丸善。JRの東京駅、旧郵便局跡のKitte、丸の内オフィス開発の中心である新丸ビルや丸ビル。

 

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特に、僕は新丸ビルに行くことが多い。

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ここには、レストラン、本屋、映画館以外の店で例外的に僕が行く店として、鞄屋のDan Gentenがある。

 

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パソコンやiPadを背負って動き回ることが多いので、できるだけ筐体の軽く、丈夫な鞄(デパック)をいつも探している。この店は、自分の消費意欲や家族の消費意欲がほどよく妥協できる場所なのだ。

https://www.marunouchi.com/tenants/4110/index.html

丸の内の大家である三菱地所の矜持があふれかえる新丸ビルという空間が好きである。天井の高さやたっぷりとしたスペースの使い方が好きで、家族の食事、仕事の会食などで使う頻度も大きい。

 

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ワインで和食ということになると、僕は酢重に行く。信州みそや信州野菜が売り物の店で、広々とした窓から皇居方面を見ながら飲むワインはなかなかいい。

 

つい最近入った店では、ericSというビストロが、グラスワインの種類も多く、料理も適量で、気軽に入れる感じがとても気持ちがよかった。とりわけ広々とした窓から見る東京駅丸の内中央口や旧郵便局側の風景は絶品だった。丸の内オフィス街の地代を払わざるを得ない新丸ビルのレストランにしては、まずまずの値ごろ感だった。

 

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https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13214489/

 

 

ぶらぶら歩きの最終目的地がどんどん食べ物屋中心になっていることにちょっと苦笑。

 

BGMはJUJUの東京。

東京


https://music.amazon.co.jp/albums/B0791BD2F4?trackAsin=B0791B2RLF&ref=dm_sh_3c79-8d5a-dmcp-7b7f-1b794&musicTerritory=JP&marketplaceId=A1VC38T7YXB528

 

 

 

大手町(M18)  首塚のあるオフィス街

 

大手町という地名には特別な響きがある。大手町には金融機関を中心に日本を代表する大手企業の本社が林立している。いくぶん昭和的な響きはあるが、大手町に勤めているとういうフレーズには、会社員やOL(これも昭和的)たちの誇りが含まれていた。ビジネスの中心地という響きがある。

帝都大戦

 

駅名の大手町にも固有の価値がある。

 

大手町にはJRの駅がない。路上に設置された線路など、このビジネス中心街では、単なる非効率的な土地利用なのだ。

 

大手町というビジネス街の表門がこの駅なのだ。この駅には、丸の内線、東西線、千代田線、半蔵門線が乗り入れている。毎日40万人弱の人が乗り降りしている。これは東京メトロの駅で池袋につぐ二番目のランキングだという。それに加えて、大量の通勤、通学客がこの駅で乗換えている。JR、私鉄等との乗り入れのあるターミナル駅とは違うが巨大という名にふさわしい駅である。

 

 




しかしこの駅には池袋、渋谷、新宿のような巨大ターミナルとは全く違った雰囲気がある。それは時間にもよるが、乗降客の違いである。当然ながら、旅行客や家族連れとは基本縁遠い街だ。朝夕の乗降客の印象はモノトーンだ。背広、スーツの比率が高い。

 

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ビジネスカジュアルになってから久しくなるが、ポロシャツで朝の通勤時にこの駅で乗り降りすると、なんとも周りから浮いた気分になってしまう。

 

ビジネス以外でこの場所を訪れることなどなさそうである。

 

実際、この近辺で働く頻度が少なくなった僕にも、大手町に最終目的地はないようなものだが、実は、一つだけある。

 

何か月かには一度、訪れなくてはならない場所があるのだ。

 

巨大なオフィスビルの間に、その不思議な場所はある。

 

将門塚である。平将門の怨霊を鎮めるための神社である。平将門の乱で討伐され、平安京に送られ斬首されたが、その時、将門の首が空高く舞い上がり、いくつかの場所に落ちたという伝説がある。その一つが落ちた場所が大手町の首塚である。将門の怨霊に苦しめられた住民がそれを鎮める目的で作ったという。今は三井物産の本社の横にある。

 
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実際、この将門塚というのは、多くの都市伝説を生み出している。隣接する某金融会社が将門塚に背を向ける形で新しいビルを建てたので、業績不振に陥った等々。実際その金融会社は他社に救済合併されることになった。

 

大手町の近くで働いていた時に、先輩に、御利益あるから付き合えと言われてお参りにいった。お参りから帰ったあと、近くの蕎麦屋で、その先輩が、実は、言ってなかったけど、御利益は抜群だが、お参りに行かなくなると、祟られるぞ!とニヤッと笑った。それ以来数十年、比較的頻繁に将門塚には訪れている。迷信は信じない方だが、やはり祟る神には敬意を表すべきと思っている。もともと反乱側をリスペクトする気質があるのもその理由の一つだ。


『帝都物語』予告編

 

どうしてもたまに来たくなるほどレストランや食堂はこの街にはない。

淡路町(M19)神田小西で一杯

過疎地のJRの駅が廃止になると、とたんに町が質的に衰亡するという事態に陥る。

その因果関係の方向性は定かではない。町が質的に衰亡したから、駅の採算が悪くなるというのが先にあるのは確かなのだが、実際に駅がなくなると、最後の釘でも打たれたかのように町がコマ送りで寂れ始めるのである。特に、自ら移動する手段を持たない高齢者たちにとっては決定的な痛手となる。

 

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多分、JRの駅というのは、それ自体が一つの街のようなものであり、その街の中心に駅が位置している。すなわち駅が死ぬことは町が死ぬことに限りなく近いのだろう。

 


鉄道員 (ぽっぽや) 序章

 

地下鉄の駅(少なくとも東京の駅)はこれとは全く違った存在だ。


朗読 浅田次郎 「地下鉄に乗って」 1 / 5 ( Jiro Asada "Get on the subway" 1 / 5 )

地上の街の区分などすべてとは言わないまでも、半ば以上、無視して、地下の網の目のロジックに従って、地下鉄の駅が決定されているという印象が強い。

 

地下鉄の駅から地上に上がったからといって、JR,私鉄、地下鉄が乗り入れている大きなターミナルは除いて、自分の居場所が即座にわかるわけではないのはそのせいだろう。(ターミナルの駅は大きすぎて、別の意味でどこにいるかわからない)

 

行きなれていない地下鉄の駅から地上に出た時の途方に暮れた感じは誰もが一度は体験するのではないだろうか。

 

淡路町という駅も比較的広域にまたがる駅であり、神田、秋葉原あたりから神保町、駿河台に近い出口までが存在する。その意味で、アイデンティがわかりにくい駅だと思う。

 

僕にとっては、淡路町は、都営新宿線への乗り換えが簡単な駅という印象が強い。

 

あとは、酷暑の頃を除けば、神保町の本屋街や、大手町の方に、一駅ぐらい健康のために歩こうかという時に下りる駅だ。

 

じゃあ僕にとって淡路町は最終目的地ではないのか。

 

実はそうでもないのだ。

 

淡路町の交差点の出口を出て、靖国通り神田小川町の交差点の方に歩いて路地を左折したところにあるワインホール神田小西というレストランが実は、長年にわたっての僕の最終目的地なのだ。

https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13131968/

家族、仕事、友人と、違った組み合わせながら、数えきれないくらいほど、この店には通っている。

 

酒の卸店が、割安な値段のワインが飲めるバールを作るというブームがあった。その頃に、八丁堀、根津、大塚などに同じタイプのお手頃な値段でうまいワインが飲めるレストランが一斉に誕生した。多分そのブームの先駆けぐらいにできた店のはずである。

 

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酒好きが大人数で行けば、一人ボトル一本ぐらい飲んで、普通に食べても、ひとり5000円ぐらいで済むという点を良いことに散々使ってきたし、連れて行った人に費用対効果や味を含めて、あまり文句を言われたことがない。その意味で定期的に使いたくなる、行きたくなる店だ。

 さほど酒好きでもなかった、僕が、ワインが好きになったのもこの店のおかげかもしれない。

 

まずここで、お手頃な値段で、うまいワインを飲んでから、神保町の本屋に出かけたり、駿河台のNARUに出かけたり、日本橋シネマコンプレックスに向かったりという、給油所、空母のような店、そして駅なのである。

 

お茶の水(M20)神田川有情

 

7,8年前に村上もとかの漫画が原作のJINというテレビドラマが高い視聴率を上げた。現代の医師が開国直前の日本にタイムスリップし、現代医療の知見を使って人を救うというSFロマンスだった。テーマソングも大ヒットして、当時の僕たちの心に、独特な温かい感情があふれたのが思い出される。

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そのタイトルバックにインサートされる神田川の古い写真が特に印象的だった。

 


日曜劇場JIN オープニング




丸の内線のお茶の水も良く使う駅だ。

 

この駅で向かう最終目的地が僕にはいくつかある。

 

一つ目は、大学の恩師を囲んで長年続けている定期的読書会の場所、中央大学駿河台記念館の会議室だ。恩師が天寿を全うされた後も、暗黙の合意で継続している。中央大学の卒業生ではないのだが、参加者の縁で、ずっとこの場所を使い続けている。

 

残念ながら、古い建物は改築になるらしく、新しい場所を探さなければならなくなった。

この時も暗黙の合意で、お茶の水で違う場所を探しはじめている。

 

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二つ目は、亡くなった恩師がことのほか愛した四川料理の店、川菜館だ。とびっきりの辛さだが、よだれ鶏ピリ辛の揚げピーナッツなど酒が進む味付けだった。

 

美食家だった恩師は、晩年、糖尿病を患って、かなりの食事制限をされていたが、月に一度のこの会のあとは、この店に来るのを楽しみにしていた。
 

川菜館
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-7-7
4,000円(平均)950円(ランチ平均)

 

その恩師が亡くなった後、なんとはなしに足が遠のいてしまったが、間違いなく最終目的地になりうるクオリティだ。

 

三つ目は、ジャズクラブのNARUだ。ジャズ喫茶でショートホープを吸いながら、ハイボールを飲んで、倉橋由美子の「暗い旅」を読むなどという古式ゆかしい趣味はとうの昔になくなった。たまに飲んだ帰りにタクシーの中でiPhoneでアマゾンミュージック経由で古いジャズを聴きたくなるぐらいが昔の名残である。

ナル 御茶の水

食べログ ナル 御茶の水

 

でもたまにライブが聴きたくなる時がある。その時は、NARUにやってくることになる。


ジャズライブハウス お茶の水ナル、成田氏 メモリアル ~Adieu~

 
http://ocha-naru.com/

でも最後の最後、どこかで、僕がこの駅の出口を地上に上がりたくなるのは、お茶の水橋や聖橋の上から見下ろした神田川を観たくなるからなのだ。

 

その意味ではこの風景が本当の最終目的地(Destination)かもしれない。

 

 


水面から見たまち 神田川・御茶ノ水編

 

 

本郷三丁目(M21)学生街の喫茶店

本郷三丁目といえば、東京大学ということになる。

実際、乗降客のかなりの部分が、東京大学に通学する学生たちだ。

学園祭の季節になると、乗降客の流れが少しだけカラフルになる。

 

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東京大学は柏のあたりにもキャンパスは広がっているが、元祖東京大学と言うと、教養課程の学生が集う駒場キャンパスと、多くの学部が集まる本郷ということになるのだろう。

 

地下鉄の駅を出て、本郷通の方へ歩くと、昔は書店があった場所に今は、何代か店舗は変わったような気もするが、ドラッグストアが立っている。本郷通に抜けるまでの短い道筋にも喫茶店がいくつかある。

 

その中でも麦という昔からのクラシック喫茶がある。この手のおいしい珈琲とクラシックを楽しむ喫茶店というものに入らなくなって久しいが、こういう店で、文庫本を読みながら、ショートホープを吸うというのにハマっていた時代もなくはないが、その雰囲気は想像できる。

 

でも、もはや、想像上の書割になってしまった。現実に触れるのは散歩の際に目に入る昔懐かしい看板だけだ。

 

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本郷通を左折して、本郷三丁目の交差点へ向かう、この交差点を渡ると、東大の本郷キャンパスだ。

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手前には、作業をすることがよくあるスターバックスがある。最近は、喫茶店で打ち合わせをしたり、音楽を聴いたり、文庫本を読んだりすることはなくなった。喫茶店に入るとすれば、WiFiの繋がるスタバばかりだ。一時サードプレースという言葉がはやった。家庭とオフィス以外の人間の居場所のようなことだ。スタバも一種のサードプレースだ。

 


 

 

スターバックスも場所によって個性があるし、混み方も千差万別だ。その混み方とそこに集う客層によって、僕はスタバを選んでいる。本郷三丁目のスタバは、大学が近いせいか、高校生や大学生や大学の先生らしき人達が多い。皆、大判のテキストやパソコン、iPadプロなどを広げている。

 

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僕の目的も作業だから、この環境はとてもしっくりとくる。

 

 

都内には、いくつか行きつけのスターバックスがある。最近はまた固定オフィスで作業することも増えてきたので、スタバに行く頻度はめっきり減ったものの、やはり休日にはこういった居心地の良いスタバで1時間ばかり過ごすことが多い。

 

東大はその意味で喫茶店の似合う街である。

 

意外なのは、大きな本屋がないことだ。本郷三丁目の地下鉄の駅を出たところに、昔は、そこそこの本屋があったのだが、今では、ドラッグストアに変わってしまった。

 

大学生協の本屋が充実しているということもあるのだろうが、学問の街にしては拍子抜けしてしまう。

 

スタバでも皆PCに向かっているのだから、何の不思議もない。

 

学生街の変化の速度は、他の繁華街やオフィス街に比べれば、はるかに緩やかである。紙の本屋がなくなり、皆、WiFiのある喫茶店でPCに向かう時代の割には、街並みはさほど変化しないような気がする。

 

昔は、たまに、大学の生協に本を探しに出かけたこともあったが、キンドル中心の読書になってから、めっきり行かなくなった。

 

学生街に本屋がなくなったことを、少し、哀しく思うというのも、ある意味、矛盾している。その変化を引き起こしているのが、まさに、自分自身の読書行動の変化だからだ。

 

僕にとっては、この駅で下りるのは、このスタバで作業をしながら、本郷通の人の流れを眺める目的だけになってしまったような気もする。

 


ガロ 「学生街の喫茶店」

 

暑い夏が終わり、散策しやすい季節がやってくると、この街は、一転、ぶらぶら歩きの通り道に戻ってくれる。そんな季節は、もう少し待たなくては到来しない。

 

 

後楽園(M22) 僕には乗換用の駅

後楽園と言えば、見どころは当然、東京ドームとなるのが普通だろう。

 

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ただ巨人軍(あるいはわずかに日ハム)とジャニーズに興味がない人にはあまり意味のない見どころだ。

 

その意味で、この駅は、人を選ぶ。かくいう僕にとっては、さほど、意味のある駅ではない。

 

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随分昔には後楽園シネマという名画座があったので、その頃には、大変意味のある駅だった。この名画座があった頃に、地下鉄の窓から、上映作品の看板があったのを記憶している。ウッディ・アレンの「インテリア」のポスターの記憶。イングルマル・ベルイマンに影響を受けまくっていたころの彼の作品だ。

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http://2p3s1j2iq.movie.coocan.jp/eigakan.html

 

東京ドーム以外にも、後楽園遊園地、ラクーアというリゾート温泉施設がある。

 

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ボクシング好きには聖地後楽園ホールがある。

 

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家族、野球ファン、ジャニーズファンと特定の強力なファン層に支えられているのがこの駅の特徴だ。

 

住宅地に突如現れるタイプの地下鉄の駅とは違って、近隣地域の上に、蔽いかぶさった大きな宇宙ステーションへの出入り口のような駅である。

 

乗換駅としての特徴もある。

 

普通に乗り換えられるのは南北線である。とはいえ、丸の内線のプラットフォームから、相当長いエスカレーターを二度ほど乗らなければならない。

 

実は地下でいったん改札を出る、構外乗換という意味では都営大江戸線都営三田線にもつながっているのだが営団線にとっては都営線は外らしい。都営大江戸線の方が乗り換えやすく、三田線に至っては、完全に一駅歩いたぐらいの距離がある。

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乗換のことばかり書いている(笑)

残念ながら、僕が詳しいのは、この駅での乗り換えの仕方なのだ。すなわち、随分昔からこの駅は僕にとっての最終目的地でなくてなってしまっている。

 

したがって、僕のオススメはない。

 

それは、地元コミュニティとのつながりが強いJRの水道橋や都営三田線の水道橋について取り上げる時に取っておこう。

茗荷谷(M23)坂のある街

茗荷谷というものの、この丸の内線の駅は谷間でなく、どちらかといえば馬の背の高台に位置している。この馬の背のあたりから、護国寺や千川の方に下っていく地形になっている。そのせいもあって、桜の名所である播磨坂、教育の公園横を降りる湯立坂、拓殖大前を通る茗荷坂など魅力のある坂が多い街である。多分、坂好きのタモリさんも何度もぶらついているはずだ。

 


 

 

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新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門

 

 

 後楽園、茗荷谷と電車が地上に顔を出す駅が続く。これも特徴と言えば、特徴だ。あとは四谷ぐらいだろうか。

これといった特徴のある街でもないのだが、この小さな駅の外に出ると、なぜか広々とした気持ちになる。地下鉄が地上に顔を出した時のちょっとした解放感が連続しているのかもしれない。

 

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あるいは、頭の中に、本郷台地の高台に位置するというイメージがあるからなのか、住宅地なので、高い建造物がそんなにないからなのかのどちらかもよくはわからない。

 

文京区というだけあって、駅のまわりには学校が密集している。拓殖大学お茶の水女子大学、跡見女子大学から、教育大付属、都立小石川高校、から窪町小学校まで、様々な学校が集まっている。

 

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それもあってか、他の路線の乗り入れのない駅の中では丸の内線で二番目に乗降客が大きいらしい。ちなみに一番目は西新宿である。西新宿は明らかに新宿西口のオフィスビル街や都庁があるので、ビジネスの乗降客だが、茗荷谷の場合は、学生の通学が大半なのだろう。

 

ちなみに2023年には中央大学が元営団地下鉄駐車場跡に移転してくるという発表があった。これによって5000名が毎日この駅を乗り降りすることになるらしい。

 

この跡地は、更地にするまでに、遺跡調査での中断などを入れて随分時間がかかったようだ。文教地域という意味では、願ってもない誘致なのだろうが、この小さな駅の収容力という意味ではどうなのだろうと心配になる。

 

大学以外で言えば、教育の森公園、窪町公園、占春園など大小さまざまな公園の多い街でもある。駅から15分ぐらい坂を千川通の方に下ると、山本周五郎の赤ひげで有名な小石川植物園がある。

 

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赤ひげ診療譚 (新潮文庫)




赤ひげ(プレビュー)

飲食店はイタリアンレストランなどを中心にほどよい数の小さな店が散らばっていて、散策をしていると、思わぬところに、洒落た店を見つけることができる場所でもある。

 

散歩したり、住んだりするには穏やかで良い街だ。

 

名所と言うならば、啄木終焉の地、幸田露伴の家などがあるとはいえ、観光客が殺到するような場所でもなく、来年の東京オリンピックの影響をそれほど多くは受けない駅のような気がする。オリンピック人気で金栗四三がいた場所として軽い街おこしをしている気配があるが、それを住民が囃し立てるような土地柄でもなさそうだ。

 

おすすめのカフェは出入口が二つの通りに面したtotoruの雰囲気が悪くない。

 
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http://totoru.jp/

 

知る人ぞ知る焼肉の名店が和。なかなか予約が取れない。

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https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132302/13003837/